2009年 11月 04日
忘れられた日本人 |
前回触れた「新忘れられた日本人」は、「新」からわかるように元ネタがある。それが「忘れられた日本人」。宮本常一という民俗学者の本だ。民俗学といっても柳田邦夫のように体系立てた小難しいものではなく、伝承、伝記チックにまとまっていて大変面白い。
殆どが、地方の村などで老人の話を聞き、その半生を書き起こしたものになっている。20年前の本であり登場人物は明治初期の生まれだ。驚くのは100年前の日本人の現代人との違いだろう。活発で、おおらかで適当で、まじめで、そしてよく働いた。農民なぞ、朝4時におき、茶漬けを食い、山で柴刈をし、6時に朝飯を食い、畑仕事をし、夜は夜鍋でがんばった。今そんなに働いてる人はなかなか見かけない。その頑張りが近代日本の土台となったのだろう。現代っ子も見習わねば。
話が一個人の半生をつづってあるのでいちいち面白い。事実は小説よりも奇なり。女にかまけて一生を過ごした男の話、夜這いの話、一年に一度何をやってもいい日の話などは民俗学を飛び越えた知の興奮と笑いを誘う。それらを抜きにしても、やはり老人の人生の語らいは身にしみる。 いい本だ。作者は戦前から戦後にかけて日本を何周分も歩いて旅をしたらしい。田舎の村落の一つ一つに歴史があり、文化がある。僕もまた旅がしたくなる。
殆どが、地方の村などで老人の話を聞き、その半生を書き起こしたものになっている。20年前の本であり登場人物は明治初期の生まれだ。驚くのは100年前の日本人の現代人との違いだろう。活発で、おおらかで適当で、まじめで、そしてよく働いた。農民なぞ、朝4時におき、茶漬けを食い、山で柴刈をし、6時に朝飯を食い、畑仕事をし、夜は夜鍋でがんばった。今そんなに働いてる人はなかなか見かけない。その頑張りが近代日本の土台となったのだろう。現代っ子も見習わねば。
話が一個人の半生をつづってあるのでいちいち面白い。事実は小説よりも奇なり。女にかまけて一生を過ごした男の話、夜這いの話、一年に一度何をやってもいい日の話などは民俗学を飛び越えた知の興奮と笑いを誘う。それらを抜きにしても、やはり老人の人生の語らいは身にしみる。 いい本だ。作者は戦前から戦後にかけて日本を何周分も歩いて旅をしたらしい。田舎の村落の一つ一つに歴史があり、文化がある。僕もまた旅がしたくなる。
by i061411
| 2009-11-04 00:21
| 私的見解